「偏奇館漫忘録」

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ガラスの天井鉄の天井

「ガラスの天井を突き破ったと思ったら、その先に鉄の天井があった」
とは、希望の党の党首、小池百合子氏の弁である。しかし、この説には少々難がある。
 そもそもガラスの天井というのは頂点を目指すものにとっての偏見の壁を表すもので、近いトコロでは米大統領選での黒人初の大統領を目指して見事に成し遂げたバラク・オバマ氏の例とか、女性初の大統領を目指して敗れたヒラリー・クリントン氏のような場合があるが、今回まさに小池氏が女性初の政権与党の党首になっていれば史上初といっていい局面でもあり、非常に残念だという思いもあってこの発言に至ったのであろうが。しかしこの顛末、少なくとも日本の憲政史上初の女性総理をめざしたにしてはいかにも雑であったことは否めない。というのはガラスの天井というのは透明で目に見えない存在であるからこそ、すぐ目の前にあるのか、あるいはもっとずっと先なのかがわからない、そこにはただ空が見えるだけである。なので、突き破るのが非常に困難なのだ。ところが、これが小池氏の言うように、そのガラスの天井の先に鉄の天井があるのであればそれは最初から目に見えているはずなので、氏は何のためらいもなくガラスの天井の先にある鉄の天井を破ればよいのであって、今回、それができなかったということは、それは当然見えているはずの鉄の天井はおろか手前にあるガラスの天井さえも見えていなかったという、単なる戦略ミスだったということだ。
  この発言の発端となったのはあの「排除しないのではなく、排除いたします」発言であり、それを氏が撤回しなかったことからもわかるようにこれが氏のキャパシティーの限界であり、この判断ミスがいかに致命的であったかということの証明でもある。ちなみにこれは結果論ではあるが、おそらくこの一言がなかったら結末は180度違ったものになっていたに違いない。

さばの竜田揚げ

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